Shure vs Westone戦争!(なんて無かった) ~純正イヤーピース徹底検証の巻~
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はじめに
Shureのイヤホンを使い続けてから、Westoneに鞍替えした際、唯一心もとなかったのが装着感と遮音性でした。
低反発ウレタン素材のイヤーピースと固くてぶっといワイヤーで、耳周りをガッチリ固めるShure製のイヤホンに慣れてしまうと、当初、一見そこらの安物と変わらないシリコン製イヤーピースと、絡まないし取り回しは良いけどやったら細いクニャクニャケーブルのWestone製イヤホンに、なんとなく安っぽい的な物足りなさを感じてしまったのは事実です。
お店で試聴した際は十分な満足感が得られたWestone W40でしたが、いざ手元に届いて外に持ち出し通勤などに使ってみると、実際何らかの違和感は感じていたので、外向きにはあまり適していないイヤホンなのかなとも多少思った。
そこでふと、試しにストックが有り余っているShureのイヤーピースを装着して使用してみたところ、これがまたしっくりくるいつもの装着感が得られたので、ああもうこれでいいんじゃねと自己完結したつもりで居ました。束の間。
しかし、家に戻って、夜の環境音があまりない状態でポタアンかませて使ってみると、、、 あれ、、、薄い??し、、低音死んでね????
気のせいかもしれないし、これから書く事も全部気のせいかもしれない!!!
全部気のせいかもしれないけど、一応調査と検証に基づくレポートです。
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ハウジングの相違点
ハウジングとはイヤホン本体の事です。
こちら、ShureとWestoneのイヤホンで最も異なる点は、ハウジングから伸びるノズルの太さと長さです。
Shureの方が細くて長いです!いっぱいおっきしています。
細くて長い故に、より耳の奥まで入り込むという理屈なんですが、ノズル自体が長くて耳奥まで届くので、遮音用途に特化している低反発ウレタン素材のイヤーピースの影響を受けにくいんじゃないか?という認識(仮説)をまずしました。
逆に太くて短いWestoneのノズルに、Shure製のウレタンイヤーピースを使ってしまうと、奥までしっかりノズルが届いてない分、圧縮した素材が音を殺してしまうんじゃないかと。
でも、ここまではあくまでも想像だったので、ShureとWestoneに限らず、ノズルやイヤーピース諸々について、色々調べてみる事にしました。
(Westoneに合うウレタン製のイヤーピース(コンプライとか)の存在は知ってた)
純正イヤーピースの相違点
Westoneのイヤーピースについて、オススメなどを色々と調べてみると、STARシリコンイヤーチップというワードが出てきます。
サイズはS・M・Lの3種類、それぞれに丈の短いものと長いものの2種類(Lサイズはロングのみ)があります。計5種類。
写真を見ると、サイズ毎に色分けされててカッコイイし、何これ超欲しい!と思って即アマ即ポチデリバリーしそうになった。
だがしかしここはまず一息ついて麦茶をグラス一杯一気に飲み干し一服(アイコス)して心を鎮め、押し入れからW40のパッケージを引っ張り出して中を見てみると、
「なんだよ、、ひととおり全部入ってんじゃん!!!」
という予想通りの展開に。。。
こちらShureとWestoneの純正イヤーピースの比較になります。
ここで選んだのは、ロング丈のイヤピを幾つか取り出し、自分の耳に合いそうな赤い印のMサイズを選びました。
購入した状態ではMサイズのショート丈のものが装着されています。(だからや!)
Westoneのイヤーピースの場合、ハウジングノズルの短さに対して、イヤーピースの穴が深めになっているので、ロング丈のイヤーピースを使うと、さらにそれだけ耳の奥までイヤーピースが潜り込む形になります。
あ゛あ゛!?ノズルが短くて穴の丈が余るならShureの付けた時と同じじゃねえかよ!!!
って、僕も今書いてて思いました。
しかしここで重要なのは、こちらは薄くて柔らかいシリコン素材という点です。
有り難い先人の教えに従い、ロング丈のシリコン製イヤーピースを、耳の奥までおもくそ突っ込んでみます。
すると確かに、Westone独特の柔らかさと空間の広がりであったり、そして明らかな低音の蘇りを感じました。(むしろ増えたから変化がわかりやすかった)
この響き、ベースがブリブリ来る感じ。ジャックホワイトさんのギターもまさにWestone特有の深みのあるブリブリ音です。
さらに柔らかいシリコン素材が耳孔に密着する事で、これはこれで良い感じの遮音性(Shure程じゃないです)と、詰めると言うより引っ付く感じの快適な装着感が得られました。
ここまでの比較検証について整理すると、
- Shure:ノズル自体の長さで耳の奥まで達し音を流し込む
- Westone:イヤーピースの長さと素材の柔らかさで耳の奥まで達し音を流し込む
もひとつ遮音性について、
- Shure:シンプルに低反発ウレタンで耳栓をしている
- Westone:柔らかいシリコン素材を耳孔に(沿う形で)張り付かせ遮音性を得る
かつ、Westoneの場合、シリコン素材が耳孔の側面に密着した形でも、ノズルやハウジングとの間には常に空間が生まれるので、この辺りが、Westone独特の柔らかい音質であったり、分離した音同士の距離感とバランス、空間の広がりに影響する部分がある様です。
あと、ここらへんは完全に好みだと思いますと初めに言って逃げますが、
Shureの音はやっぱりタイトな音質がダイレクトに流れ込んでくる感触は確かにあるので、こういう要因であればと、個人的に腑に落ちる感覚はあります。
逆をやってみた
だったらShureのノズルにWestoneのイヤピ付けたら最強じゃねえの???
と思ったのでやってみました。
ぺしにゃん、たくさんおっきしたねえ。(装着前)
そこにWestone(シリコン製・Lサイズロング丈の)イヤピをハメてみます。
ほらぺしにゃん、きのこみたいだよ。(装着後)
ここ2時間程、この状態のShure535speでの試聴を続けています。
所感としては、Shureのダイレクトさは残っているものの、割とわかりやすい程度に音が柔らかくなって、低音の響きは明らかに増した印象があります。
ただ、悪く言えば、この柔らかみという言葉も、音のメリハリや、クリアに刺さってくる様なShure独特の持ち味をボヤけさせてしまったと言えなくもないです。
あと全体の丈が増えた分、耳孔のやたら奥まで入っちゃうので、音圧が強すぎてWestoneで聴いたときよりかなりやかましい感じがします。
特にスクリレックスとかああゆう感じのは結構うるさくて疲れる。
音の分離や立ち方はタイトでクリアなものの、距離感と空間のバランスがチグハグな気がして、音と音がケンカしてる感じというか。。。
一言で言うとニセShureって印象。
Westoneのハウジングで聴いた場合、そういった空間のバランスがとても良く調整されていたのと、
ShureはShureで好きな部分も多いので、結局のところ、どっち付かずな結果になっちゃった気がしました。
(実際各々のハウジング内のマルチドライバもそれらを踏まえた配置がされています)
まとめ
結論としては、純正が大正解であり、大正義であるという事です。
個人的にどっちが上とか下とかは全くもってどーでも良くて、どっちも良く出来てるなーって感想しか無い。
ただ、アレコレ踏み込む前に、
「メーカーは、イヤホンのハウジング自体だけでなく、イヤーピース、ケーブル、全てのパーツを最適化した形でトータルデザインをしている。」
という認識が重要で、そこは常に念頭に置いておくべき事かなあと感じました。
まあイヤーピースなんかは安いもんですが、ケーブルまで拘りだすとまた終わりの無い課金スパイラルに突入しますし、本当にキリが無い。
銅線と銀線の違いは確かにあるんだけど、これも結局好みだと思うし。(リケーブルについてはいずれ。。。)
(そこまで踏み込みたい強者(ワガママな経済的強者)が最終的にカスタムIEMに辿り着くんだろうけど。。。)
おわり。
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