ねんねこにゃんにゃん日記

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2018年音楽のまとめ(こじぺミュージックアワード2018)

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はじめに

メンヘラ属性の女が歌う情念系ロック縛りのこじぺミュージックアワードですが、今年もいつもの様に適当に選んでいたら、なんだか去年選んだ人の新譜紹介みたいなリストになってしまったので、今年はちゃんと曲数を絞りたいと思います。
全30曲。今年は洋楽も入れます。

ちなみに去年はこんな感じでした。 kojipe.hatenablog.com

1アーティスト1ソングルール、ランキングは一切無し。今年刺さった曲をダラダラ羅列するだけ!
※「メンヘラ属性の女が歌う情念系ロック縛り」は(あくまでも)初期コンセプトです。

それでも長くなりそうですが全30曲、張り切ってどうぞ!


前篇(チャットモンチー完結とその周辺)

01: CHAI「Make Up! Make Up!」

これ、えっちゃんが歌うのと本物のブスが歌うので、だいぶ印象変わるなーと思いました。
やっぱり本物のブスが歌うとCHAIの曲になっちゃうなあ。ごっそり持ってかれた感じがします。
今年出たチャットモンチーのトリビュートアルバムからの選出ですが、選曲とキャスティングが絶妙過ぎる、チャットモンチー愛に溢れる名盤でした。


02: きのこ帝国「染まるよ」

別れた男の事を思い出して、吸った経験の無い煙草を吸ってみる歌。元ヤン属性の高そうな福岡さん本領爆発の女の情念ロック。
これもえっちゃんが歌うのと佐藤千亜妃が歌うのではだいぶ印象が違うどころか、これは最早佐藤千亜妃の歌でしかない。これが艶の差か。
とはいえチャットモンチーって出てきた時はえらく幼く見えたけど、シャングリラの頃は既に20代半ばだったりして、もういい大人の女だったんだよな。


03: 川谷絵音「真夜中遊園地」

チャットモンチーで最もロックな曲かつ一番好きな曲かもしれません。
原曲は高橋久美子節炸裂の疾走感溢れる超名曲ですが、歌詞の本質、曲の大事な部分を壊す事なく、それでいて川谷絵音自身の世界に丁寧に落とし込んでいる、とても素晴らしいカバーだと思いました。

https://itunes.apple.com/jp/album/chatmonchy-tribute-my-chatmonchy/1361437151?uo=4&at=1001lHPy

iTunes盤は上記のきのこ帝国と川谷絵音が入ってないのでCDを購入しましょう



04: チャットモンチー「恋の煙[同期ver.] with 小出祐介

Base Ball Bear枠でお願いします。こちらはセルフカバーかつ同期の小出祐介とのコラボ。
原曲はえっちゃんのふり絞る様な叫びが印象的だったロックナンバーでした。
それがデュエットになったせいかこれが年輪の積み重ねなのか、なんというか、大人の余裕や楽しんで歌っている感じが、とても同じ歌詞内容の曲とは思えない、素敵なポップチューンに変化しているのにびっくりしました。
原曲との聴き比べはこれが一番おもしろいかもしれない。




05: チャットモンチー「たったさっきから3000年までの話」

高橋久美子脱退後のチャットモンチー、楽曲面で彼女たちのロックを担っていた部分がごっそり抜けた事で、音楽性は変化したものの、その後もコンスタントに名曲を残してきました。
えっちゃんの歌詞は具体性が強い(バンプやラッド的な)作文みたいなスタイルとも思える。
彼女達もいい大人の女になり、コンビニエンスハネムーンで現在の自分、マジョリティブルースで自分のルーツを振り返り、そしてバンドにおけるこのラストチューンで遠い未来の自分を(あくまでも)等身大で綴る事で、バンドのエンディングを綺麗に締めた。本当に素晴らしいキャリアだったと思う。





中篇(洋楽篇)

06: Kendrick Lamar, SZA「All The Stars」

今年のアメリカ(だけでなく世界)を象徴する曲その1。
ヒップホップがロックに替わるメインストリームになったのは、今に始まった事ではないのは勿論認識しています。
ただ、カニエであったり、Jay-Zビヨンセにしても、彼らの楽曲や言動からは、常にアフリカ系アメリカ人の成功者としてのセレブ視点から発していた印象があったので、(大多数の貧困層に向けた)社会性は殆ど感じられなかった。
そこで実際にアメリカの現実に降りて来て、世界に向けて狼煙を上げたのが、近年のケンドリックとシザの成功からの(ディズニー映画)「ブラックパンサー」の歴史的なヒットであり、それが早々と2018年のシーンを決定づけてしまった。




07: Childish Gambino「This Is America」

今年のアメリカ(だけでなく世界)を象徴する曲その2。
遠い東の国から見ていると、マジョリティのセレブが差別や社会問題を唱えたり、慈善活動に注力しても、結局(目を向けてもらうという本来の目的より)自身の理解を示すパフォーマンスにしか見えないという印象は昔からあった。トランプが大統領になった経緯もそういう事なんだろうと思うところもある。
そもそもロックって反体制の象徴的な文化だったと思うけど、所詮は白人の音楽なんで、2018年でようやく、カウンターカルチャーがメジャーストリームに変化する過程で、この様なシンボルが産まれたのもすげー腑に落ちる。




[SOTY] 08 : THE 1975「Love It If We Made It」

1975だけど80年代ぽいというか、丁度自分が洋楽を聴き始めた頃に好んでいた音楽に似ている(例えばTears For FearsとかINXSあとU2)のもあり、個人的(75年生まれ)には特別なバンド。
とはいえ、歌っている内容は今まさに起こっている事で、それがとんでもなく辛辣だったりする。
"Modernity has failed us. And I'd love it if we made it."
”近代は俺達を落第にした。それでも俺達が(何か)成し遂げられたなら最高だろ”
このフレーズが今年、世界のいたる所にあったムーブメントを集約している様にも思えている。




09: Arctic Monkeys「Four Out Of Five」

童貞臭プンプンのガレージバンドから始まり、突如前作で(背伸び気味)ツッパリロケンロールにイメチェンしたと思ったら、今回はセレブリティ溢れるジェントルメンに進化。やっぱりこいつらかしこい!
前作の様なわかりやすいロックではないですが、このアルバムの曲をかけるとうっかり通して聴いてしまった的なしぶ~い深み。まさに大人の味わい!




10: Weezer「Africa」

リアルタイムは知らんけど、そもそもTOTOというバンド自体、ギターとドラムの人のバンドで、ボーカルは毎回コロコロ変わってる印象があったので、過去のヒット曲を思い浮かべても、ボーカルの顔だけぼんやりぼかしが入っているモブみたいな人という記憶しか無い。
そのTOTOの大ヒット曲で、このカバー自体めちゃくちゃ原曲に忠実なんですが、一瞬でまるっとウィーザーが持ってっちゃった気がするし、もう今後この曲を歌っている人はリヴァースしか思い浮かばないと思う。(アル・ヤンコビックではなく)




11: The Chainsmokers「Sick Boy」

みんな大嫌いチェインスモーカーズ。特に音楽方面で、本国でのアリ/ナシって、こっちで暮らしてるとなかなか伝わりにくいものですが、個人的には素直に面白い音楽だと思っていて、毎度新譜を楽しみにしてる人達ではあります。




12: Superorganism「Everybody Wants To Be Famous」

みんな大好きオロノちゃん。世界中に散らばったネット上の知り合い同士がバンド作ってみたら売れてしまった未来のバンドの形。
デビューシングルの時点では若干懐疑的ではありましたが、今年のアルバムを聴いてああもうずっと応援しますってなった。
ただ、実際問題無駄にメンバー多くないですか???コアメンバーは限られてる気がするんだけど。
今の形だとバブル期の米米クラブとかチェッカーズみたいな(いらない子どうする的な)痛そうな問題も勃発しそうなのが非常に気になる。。。





後篇(本編)

13: リーガルリリー「僕のリリー」

個人的にはポストチャットモンチー的な存在は不要だと思っている。Hump Backもリーガルリリーも好きだけど、既に独自の音楽を持っているし、迷惑なだけだろう。
今年出た3枚目のEPからの選曲ですが、彼女達の世界観の完成形と(ファースト以上かもしれない)破壊力を感じました。
個人的には今現在ライブを観たい一番の日本のバンド。AppleMusicとSpotifyでも解禁されたので、是非聴いて欲しいバンドです。
※できればCDを買って彼女達に現金を還元しましょう。




14: さよならポエジー「その一閃」

前作のデビューアルバム「前線に告ぐ」も紛れもない名盤だったのですが、内容的には少し後ろ向きな部分もあった。
でも今年のアルバム「遅くなる帰還」ラストのこの曲で、まだ迷いは見えつつも、「時代よ 僕を選んでくれないか」と歌っている。
クリープハイプやマイヘアと比較される事も多いバンドかと思いますが、生々しい直接的な言葉を使わずに、感情や物語を力強く表現できる文才は希有なものだと思っています。
※この人達はまだCDを買わないと聴けないバンドなのでCDを買いましょう。




15: SIX LOUNGE「LULU」

この曲はミシェルっぽいガレージロック調ですが、アルバム聴いてみると、フォークぽかったり、J-Rockど真ん中のポップチューンだったり、引き出しの多い器用な方達だなあという印象を受けました。
とはいえ、ごった煮って薄まってる感じは全く無く、ぶっとい芯が真ん中に突き刺さっているような、今や貴重な純粋かつ硬派なロックバンドだと思っています。




16: odol「時間と距離と僕らの旅」

音が好き。トラックが気持ちええ。濃いめのプレイリストに入れておくと、良い塩梅の箸休め的な心地良さが得られる曲がとても好き。
去年選んだ雨のパレードとかにも共通する、心地良いまま聴き流すも良し、じっくり聴き込むも良しの個人的には貴重なアーティストさんです。




17: Homecomings「Hull Down」

俺Homecomings好きです。おれがHomecomings好きですの文句あっか。
ヴィレッジヴァンガードで流れていそうな音楽ですが実際流れていますよね。昔ビレバンでシャザームしたのがきっかけでよく聴くようになったバンド。
こちらもがっつり聴く事はあまり無いけど、ふと流れてくると(耳も気分も)心地よくさせてくれるので、プレイリストにはいつも入っている。




18: 羽生まゐご「現世巡り」

ボカロの人。DAOKOさんのアルバム聴いてたら昔の米津っぽい曲が入っててこれ絶対米津だろと思って調べたらこの人だった。
とはいえ米津クローンかというとそうでもなく、初期米津にあった民謡調のトリッキーなテイストにフォーカスして独自の世界観を作り上げている印象を持ちました。
今年出たアルバムはこれまでのベスト的内容だったので、近年の米津に退屈していた自分としてはあああ俺こういうのんめっちゃ好きなんやで~という感じですげー楽しめた。
この人はこれからどんなアーティストさんになっていくのだろう???




19: 吉澤嘉代子「女優」

私こういう音楽も聴くんですよーアピールからの選曲。
なんかおしゃれ寄りのやくしまるえつこ的なすげえ雑な先入観と印象のみで、正直こまめに新譜を追っかけたりアルバム単位でがっつり聴くタイプのアーティストさんではなかったのですが、今年出たアルバムがとても良かったので、あらためてざーっと聴いてみたら、やっぱり俺が好きな女が俺が好きな声で俺が好きな歌を歌う俺が好きな音楽だった。




20: edda「夢のレイニー」

Aimerに似た自分の好きな歌声だなあと思って聴いてみたものの、自分で曲も書く方なので、独自の世界観はすぐに感じ取れました。
物語仕立ての歌詞やアルバムの構成など、プレゼンテーションとプロデュース能力に長けた方だなあと思いました。
曲も良いし純粋に面白い音楽だと思ったので、これからも応援していきたいアーティストさんがまた増えたと思っています。




21: 春ねむり「アンダーグラウンド

全然ロックじゃない。だけどすげーロックを感じるのは、初めて楽器を手にしたティーンが曲を作って自分の感情をおもくそ吐き出した的な(かつてのロックにあった)初期衝動からの破壊力を強く感じたからだと思います。
DAOKOさんとかとはまた異なる系統の、(女による)オトコマエな歌詞も力強く面白い、こちらも末永く応援していきたいアーティストさんの一人です。




22: 羊文学「マフラー」

昨年のデビューから、(期待を超える形で)飛躍してくれたバンド。彼女たちについては最早大物の風格すら感じる。
初期きのこ帝国に似たシューゲイザー的な女のロックですが、(佐藤千亜妃個人の)内省的な部分が占めていたきのこ帝国に対し、この羊文学は外に向けた力強さを感じます。(どちらが良い悪いではなくどっちも好き)
今年のフルアルバムで一気に突き抜けた印象を強く受けました。




23: DAOKO「終わらない世界で」

なんだかんだ毎年だをこさんの曲は選んでる気がしますが、こちらはもうすっかり大物。紅白で米津との共演が観たかった。
和製リアーナかと言わんばかりのコラボレーションモテモテアーティストさんになっちゃいましたが、今年の活動はDAOKO自身の飛躍の年だったと思っています。
初期に比べて明るい曲が増えたけど、魅力が薄まった様なセルアウト感は全く感じず、自身の幅をどんどん広げていけるタイプのアーティストさんだったんだなあと思いました。




24: 大森靖子「死神」

若い頃、こういう音楽を聴くと心酔する様にのめり込んで、深い深い闇に落ち(戻ってこれない)タイプの痛い奴だったのですが、自分もいいおっさんになったせいか、こういうの、今ではなんか俯瞰するよなスタンスで向き合う事ができちゃう様になってしまった気がする。
己のメンヘラ属性が死んだのか感受性が死んだのか。
相変わらず救いの無い歌だなーと思いつつも、この人の場合、毎度毎度曲の力に圧倒されてしまう。
でもやっぱこの様な音楽ばかり聴いてると、気づいたら救いようのないおっさん(今の俺)になってしまうような気がするので、たまにはしょうもない(君を守るから)(涙ぬぐってほら元通り)(会いたいけど結局会えなかった)音楽も聴きましょう。




25: アイナ・ジ・エンド「きえないで」

BiSHの音楽は大好きなのですが、いまだアイナ以外の面子に全く関心が向かないというのが懸念ではあった。
ビジュアル、パフォーマンス的にもベビメタには敵わないと思うのと、元々本家のBiSの方も復活して同じ様な事やりだしたので、大人の都合でなんかおかしな事になるのが心配でならなかった。
で、このソロシングルを聴いてあらためて強く強く思った!とにかくアイナだけは(キャリア的に)守りたい!消えないで!




26: BABYMETAL「Distortion

久しぶりの新曲で超王道。ギターの方が亡くなったり、先のYUIMETAL脱退など、メタルバンドにありがちな困難なキャリアを歩み始めていますが、マトモに世界で勝負できる唯一の日本代表アーティストとして、永遠と応援していきたい。




27: ぼくのりりっくのぼうよみ「輪廻転生」

元々曲は書かない人なのと、大半を占めるササノマリイ作の楽曲と、それ以外の曲とのブレは気にはなっていた。
多少生き急ぎな印象もあったので、引き際としては潔いと思いますが、5年、10年後に成熟して進化した姿が見れたら嬉しい。




28: 女王蜂「HALF」

自身の内面を、一貫して「闇」としてさらけ出すスタイルを続けていたアヴちゃんが、この2018年にこの曲を書いたのも偶然とは思えない。
アジア系とアフリカ系のハーフ、かつトランスジェンダー。その自分自身をひたすらポジティブに、80年代歌謡ロック調のキャッチーで力強い曲に乗せて、とにかく今の人生を楽しんでいる(つよい)アヴちゃんが全身に伝わってくる歌。
女王蜂というバンド、アヴちゃんというアーティストの大きなマスターピースとなった名曲だと思っています。




29: Nulbarich「Kiss You Back」

正直好みのバンドではなかった。俺の中ではサチモスと同じ括りのやつ。
ただ、この曲がラジオから流れてきた瞬間、思わず手を止めてしまうような、印象的な導入からサビの破壊力まで、所謂キラーチューンと呼ばれる名曲に必要な要素が全て備わっている様な、溢れる自信と力強さを感じる曲だと思いました。




30: 折坂悠太「平成」

平成の最後に平成の歌。どこか懐かしさを感じるのは、自分が若者として生きた平成(90年代)を思い出させる曲だからだと思います。
そして90年代(後半)の日本のロックは、70年代のリバイバルでもあった。
だから、たとえ少しでも平成を生きた、今現在生きている全ての世代に響く曲の様な気がしている。





まとめ

今年聴いていた音楽の中心にあったのは、まずチャットモンチー完結であり、それが与えた影響とその周辺が占めていた部分は少なくないです。

昔付き合っていた女が好きだった音楽、自分もそれをえらく気に入っていたとしても、その関係が終わった後、なんでか距離を置いてしまう経験ってないですかね?(個人的にはチャットモンチーフィッシュマンズとか?)

個人的には00年台で最も過小評価されたバンドの一つだったなーと思うのですが(もう一つはアジカン
あらためてざーっと聴き込んで、最後のMステのやつとか観ちゃうと、やっぱチャットモンチー、みんな(特にミュージシャン界隈)に愛されたバンドだったんだなーと思いました。

あとランキングは一切無しと言いながらSOTYを決めてしまった。。。だってまあ、あのアルバム(タイトル長い)、、凄かったですわ。。。

いろんなとこで2010年代のOKコンピューターや!みたいな中高年しか理解できない例えを見ましたけど、きっと10年20年それ以上語られ続けるアルバムになるんでしょうね。
仮に20年後、こういう音楽が出てきても、2030年代の「ネット上の人間関係についての簡単な調査」みたいな語られ方はするんだろうか?(タイトル長えし)

今年は久しく音楽が世界、社会、時代に牙を剥いた年だったのかなあという総括で締めさせていただきます。

おわり。


おまけ

今回選曲したプレイリストはこちらになります。(一部除く)
良いお年を~!

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